新鮮な食材はおいしいものです。食材の持っているうま味を十分に味わえ、その食材が含有している栄養素もたっぷり詰まっています。できれば毎日、新鮮な食材を食卓に並べたいものです。そこで今回は新鮮素材の中でも、どんな料理とも相性の良い鶏肉に注目しました。新鮮な鶏肉の見分け方と冷凍保存のコツ、うま味成分が肉から流れ出てしまうドリップの予防法を解説します。
新鮮な鶏肉の見分け方
鶏肉は和食、中華料理、イタリアン、フレンチなど、どんな料理に活用しやすい食肉です。まずここでは新鮮な鶏肉の見分け方を解説します。
弾力があってドリップが出ていないこと
まず鶏肉に弾力があること、そして購入する際に、パックやシート内にドリップ（透き通ったピンク色をした肉汁）が出ていないことをチェックしてください。少々のドリップであるなら問題はありません。しかしそうでなければ、残念ながらその鶏肉は新鮮さに欠けています。
ドリップは血液ではありません。たんぱく質やペプチド、アミノ酸などの栄養素やうま味成分が含まれている汁です。つまりドリップが出ているということは、栄養素やうま味成分が鶏肉から流れ出てしまっている状態なのです。パック内やシートが、ドリップで染まっていたり、パックを傾けたときにドリップが隅にたまるものは新鮮ではありません。
見た目が桃色で透明感があること
新鮮な鶏肉の見た目は、透明感があるピンク色です。肉の表面はみずみずしく、ツヤがあります。白く濁った色になっているものは、鮮度が落ちてきている可能性がある鶏肉です。全体的に暗赤色であったり、白すぎたりする鶏肉は新鮮ではありません。
皮の毛穴が盛り上がっているもの
鶏肉といえば皮が特徴的な食肉です。皮を見てください。白い皮のほうが新鮮そうに見えますが、実は新鮮な鶏肉の皮は、黄色っぽい色をしています。毛穴がぶつぶつ盛り上がり、しわのように、ひだがよっているものが新鮮なのです。鮮度が落ちてくると、皮の表面が平らになり、毛穴の盛り上がりもなくなってしまいます。
冷凍保存するコツ
部位にもよりますが、生鶏肉の場合、冷蔵で1～3日が消費期限です。もう少し保存させたい場合は冷凍すれば、2～3週間保存できます。ここでは消費期限を延ばすために、鶏肉を冷凍保存するコツを紹介します。
新鮮素材を選ぶ
新鮮ではない鶏肉を冷凍しても、おいしく食べることはできません。すぐに使わず冷凍保存する場合でも、ドリップの出ていない新鮮な鶏肉を購入して、冷凍するようにしましょう。鶏肉だけに限りませんが、冷蔵保存している食肉は、その間、鮮度は日増しに失われていきます。すぐに食べないのなら、新鮮なうちに冷凍することが冷凍保存のコツの1つです。
空気をシャットアウトする
どんなに新鮮食材であっても、空気に触れると酸化してしまいます。冷凍する場合は、なるべく真空になるようにラップで包むことが重要です。たとえばパッケージされたまま冷凍すると、空気に触れた状態になるので、鮮度も品質も落ちてしまいます。冷凍する場合はトレーやパッケージから出して、きちっとラップで包み、なさらにジプロップやフリーザーパックなどに入れて冷凍すると、より効果的です。ラップで包む前は、クッキングペーパーで肉の水分をふき取りましょう。そのひと手間で臭みが取れます。
小分けにする
塊の状態や、厚みのある部分は、凍らせるのに時間がかかります。できるだけ薄い状態で冷凍することをおすすめします。たとえばムネ肉・モモ肉は使いやすい大きさにカットしましょう。ひき肉は薄く平らになるようにして冷凍してください。使い切る分だけ小分けにすると、解凍にも時間がかかりません。
新鮮素材の鶏肉から出るドリップの予防方法
どんなに新鮮な鶏肉でも、保存している間にドリップが出てきます。ドリップは肉の内部から分離して出る液体です。先にも説明しましたが、ドロップには、鶏肉のたんぱく質やビタミン類などの栄養素や、うま味成分が含まれます。ドロップが出ると、うま味成分が流れ出てしまうので、品質はもちろん、味も落ちてしまいます。そのため鶏肉の品質を保持するには、できるだけドリップを抑えることが大切です。
ドリップを防ぐには、冷凍は急速冷凍にすることが大切になります。理由は細胞が傷付きにくくなり、うま味成分の流出を防げるからです。一般の冷凍庫で急速冷凍することがむずかしい場合は、下記の方法を試してください。
- 小分けにして、肉の厚みは薄くすること
- 熱伝導率が高く、冷えやすいアルミ製のトレーにのせて冷凍すること
たとえば急速冷凍ではありませんが、肉に下味をつけて冷凍することでも、ドリップの流出を防げます。
まとめ
新鮮食材の鶏肉編として、新鮮な鶏肉の見分け方や、賞味期限を延ばすための冷凍保存のコツ、ドリップの予防法を解説してきました。どんな料理とも相性の良い鶏肉ですが、新鮮なうちに料理すると、栄養もうま味もそのまま味わえます。すぐに食べてしまわない場合は、ドリップが出ないように上手に冷凍して召し上がってください。
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